マネックス・ショックについて モヒカン族対ムラ社会

17日の相場で値が下がったのは、マネックスの掛目0に対して他の証券会社が追随するのではないかという思惑であって、マネックスが掛目を0にしたからではない。
マネックスの説明によると、マネックスは早期に掛目0を決定し公表を早めることで、個人投資家の保護ができると判断し、担保価値がないと判断されている銘柄だという情報を顧客に伝えたということだった。マネックスとしては当然の行動だというところだろう。

それに対し他社は掛目に関してマネックスのように早期に公表することはなかった。これは掛目の変更が決定されてないためだと考えられる。他社としても当然の行動であると思う。その後、松井証券、HS証券は掛目引き下げを発表し、岩井証券も掛目0としたようだ。

マネックスは掛目を変更するから公表し、他社はしないから公表する必要もなかった。
このような状況で売りと判断したのは投資家自身だ。マネックスが株式を売却して株価が下がったのではないだろう。相場下落の原因は「投資家の思惑」。損した人はマネックスのせいにしたいだけ。

マネックスへの批判は、ざっと見たところ、掛目下げてもいいけど他社と調整してから、とか、もっと時間的余裕を持たせて、ということに集約されるようだ。マネックスの立場としては、各社で判断する掛目なのだから他社と相談する必要はないし(だって証券会社ごとに調達してきた金を貸してるんだから。顧客の意思で株を担保として。)、時間に余裕を持たせていたら早期の注意喚起という投資家保護の理念に反するということになる。マネックスとしては「他社の判断が遅すぎ」ということだろう。

というようにつらつらと考えていたのだが、今回の件は、モヒカン族ムラ社会的な構図が見て取れるように思う。モヒカン的に掛目0の判断をし即実行したマネックスと、協調/事なかれを是とする与謝野含むマネックス批判者たちのムラ社会。ヒステリックな批判はいかにもという感じ。

付け加えると、今回マネックスの対処方針が明確になったので今後同様の自体が発生し、マネックスが掛目を0にしても、今回のような思惑からの売りは出ないだろうと思われる。

そもそも価値変化の激しい株式を担保にしている参加者がいる時点で今回のような事態が起こることは当然予想されてしかるべきだし、当然マネックスに限らず今回のような決定をする証券会社が存在することは想定内であるべきである。

したがって、今回怒っている人は、自分が想定してなかったから怒っているだけで、本来は自分の想像力の無さを恥じるべき。

僕も最初は怒っていたので同様ですが。