インサイド・マンを観ました

昨日は映画の日だったのでスパイク・リーの「インサイド・マン」を観にいきました。個人的には映画の日価格だったからよかったけど...というような印象でした。
まず良くなかったのが席。開演1時間くらい前に行ったのに既に前2列しか席が残ってなかった。土曜日で映画の日だとこんなものか。1日1回しか上映してなかったみたいだし。前だと画面が大きすぎて全体が見えないのでやっぱりちょっと良くないですね。

あと良くなかったのが字幕の翻訳。まあこれは僕が英語をあまり聞き取れないのが良くないんだけど、「野次馬」を「弥次馬」って書いてたりとか。調べたら「弥次馬」でも間違いではないみたいなんだけど、ほとんど使われてないような使い方をあえて映画の字幕で用いる必然性というのが良く分からない。英語のほうのニュアンスで「野次馬」より「弥次馬」っぽかったんでしょうか。そんなニュアンスは日本語でも分からないし、しかも仮にそうだったとしても、そんなの誰も理解できないよね。天下の戸田奈津子先生であられます。

もちろん、これらは映画以外、というか派生したものであるため作品自体に対する不満ではない。しかし、なんと映画もイマイチ不満だったのです。

音楽の選曲とか使い方はいい。すばらしい。配役もいい。これもすばらしい。いい役者さんたちです。映像もいい。画面構成は美しい。かっこいい。でもなんかイマイチ消化不良なんですよ。なんなのだろうか。

ひとつは各種ネタがベタ過ぎることがあると思う。人種差別ネタとか、ひとつだけリストにないネタとか、実は殺してないネタとか。とても良くあるパターンだからなあ。普通に先が読めてしまうのです。最初に完全犯罪だと宣言されてしまい、結果が分かっているし、したがってハラハラドキドキが皆無でした。

もうひとつは上にも関連するけど、あってもなくてもいいようなシーンが散見されたというところか。デフォーさんが突入の妄想を膨らますところとか、PSPでゲームがひどいねとか、ネタというか面白いつもりで入れているんだろうけど、もっさりしていてとても説明的なシーンだなと感じるところが多かった気がしました。

というわけであまり好意的でない感想になってしまいましたが、僕が映画に求めるダイナミズムみたいなものが感じられなかったというだけで、こういう映画もありなのかもしれないなとは思います。