頭数をそろえる必然性

サイバーエージェントの社長さんの藤田さんがブログで技術者20人募集(マッサーあり)みたいなことを書いててそれにプログラマの方々が反応されている。

マッサージに釣られたエンジニアが20人集まってなにすんの?頭数とか時代遅れの阿呆なことを言ってるスーツな奴らとはどうせ分かり合えないんだからせめて金をがっぽり貰おうぜ(超訳です)、というかんじで技術者的視点からはそのとおりだなと思うのですが、しかし、僕は敢えて言いたい。空気読まずに。

藤田さんは経営者として正しい(のではないか?)と。

会社に技術者が足りないのでサービスの進捗が遅れちゃってるんだよね、それは経営陣が放置してたせいだけどね、みたいなことをアッケラカンとブログで書いたりしていて、そのデリカシーのなさに、まあよくも上場企の経営をしていられるもんだとも思うけど、それはこの際置いといて。

藤田さんは経営者として正しいと思う。それは、20人という頭数をそろえるということで、きちんと分散投資をしているからだ。ポートフォリオ理論というのがあるわけなんだけど、それにのっとって考えると、技術者20人のポートフォリオを組むことでリスクを低減してより多くの収益を獲得することができることになる。

本当に優秀なエンジニアひとりを雇ったところで(もしくは2、3人雇ったところで)、それが大当たりなサービスになるか(収益を生むか)どうかってほとんど運じゃない?エンジニアの実力だけで左右されるような世の中ではないからさ。「たまごはひとつのカゴにもるな」というような言葉もあるけど、20人という頭数を揃えることによってのみ、運で左右されてしまう要素を少なくすることができるんじゃないかと思うわけだ。

経営者というのは、全体として利益を生み出す会社を作り維持するのが仕事だ。もし本当に優秀な技術者が来るまで辛抱強く採用活動して、やっと優秀な技術者見つけて、さて開発させてみたら、全然ダメダメサービスになってしまって時間と金を大損しました、なんてなったら、経営者失格でしょ。短いスパンで時間を区切ってとりあえず頭数揃えて、いくつも同時にサービス作らせて、そのうちひとつが大当たりして(もしくはいくつかの中ヒットがあって)全体として大きな利益になりました、というほうが経営者としては、ずっと正しいんじゃないのか。

というような視点があってもいいかも知れないと思い、書いてみました。