「ホテル・ルワンダ」を観た

最近、あちこちで話題になっているような気がするホテル・ルワンダ」を観てきた。

久々に作品のなかにのめり込んでいってしまうような映画だった。1994年にアフリカのルワンダで起こった100万人にも及ぶ虐殺事件のなかで実際にあった出来事を扱った映画で、そのような作品の背景自体が非常にシリアスなので、その部分をクローズアップして語られることが多い気がするのですが、そういうのを一切抜きにして、この映画は純粋に映画として素晴らしいと思います。

何がそんなに素晴らしいのかといわれると、困ってしまうというか、あまり説明的な言葉が必要ないような映画で、説明すると人間愛とか勇気とかそういった手垢のつきまくってしまった言葉になってしまうので、まあとにかく良いですと。

作品背景のほうに目を向けるのと、虐殺行為はこの事件のあとも世界で起こっている。今まさに起こっているらしいダルフール紛争では、世界の国々はこの10年前の事件を教訓に出来ていない。30万人以上が虐殺されているというがほとんど報道らしい報道もされてない。ボスニア内戦でも虐殺が起こった。何かしらの努力は行われているはずだが、結果として教訓は活かされていない。

知らないこと関心がないことは情報として入ってこない。それはメディアも流さないし、自分も興味を持ってないから。この映画を観て何がしか感じたとしても、今実際に起こっていること、これから起こるかもしれないことを果たして自分がどれだけ知っているのか、知ることができるのか、気づくことができるのかと考えると、あまり明るい希望は持てそうにない。

そして例え知ったとして果たして自分に何ができるのか。白いバンドをつければいいのか。現地に飛び込んで拉致されればいいのか。オリンピックの開会式でサングラスかけてピースとか言ってればいいのか。どれも的外れに見える。少なくとも自分にとっては。

このことに明快な答えが出せるんだったら多分世界は戦争など起きないだろうし虐殺も起きないだろう。明快な答えはない。これからも多分出ない。でも考え続けることは必要だろうと思う。